大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和33(あ)731 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人正木・の上告趣意一は判例違反を主張するが、原判決は「徒らに」という

文言こそ使用していないけれども、論旨引用の当裁判所の判例に則つて判断してい

ること原判文上極めて明白であるから、所論は採用できない。その余の論旨および

同二は違憲をいうが、いずれも、理由のないものであることは当裁判所昭和二八年

(あ)第一七一三号、同三二年三月一三日大法廷判決、集一一巻三号九九七頁の趣

旨に徴し明らかである。

弁護人高橋銀治の上告趣意第一点は違憲をいうが、その採用し難いものであるこ

とは前記大法廷の判決によつて明瞭である。同第二点は違憲をいうけれども、憲法

三七条一項にいう公平な裁判所の裁判とは構成その他において偏頗のおそれなき裁

判所の裁判という意味であることは当裁判所屡次の判例であり、また、憲法七六条

三項にいう裁判官が良心に従うという意味も、既に、前記大法廷の判決に示されて

いるとおりであるから、所論は採用できない。同第三点は違憲をいうが、所論承認

の事実は原判決の認定しないところであるから、論旨は前提を欠くものである(な

お、当裁判所昭和三一年(あ)第九〇〇号、同三二年五月二四日当小法廷判決、集

一一巻五号一五四〇頁参照)。同第四点、第五点、第六点は単なる法令または訴訟

法違反の主張を出でないものであつて、すべて、刑訴四〇五条の上告理由にあたら

ない(なお、原判決は郵便法規の解釈をしているわけではなく、この点に関する原

判示は相当である。)。

また、記録を調べても、本件につき同四一一条を適用すべき事由ありとは認めら

れない。

よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。

- 1 -

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和三三年六月六日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!